漢詩詞を橋梁とした文化交流には、人と人とが面談する交流も、漢詩詞作品の往来に因る交流もある。人と人とが面談する交流は親密になれるかも知れぬが、経済的な理由もあり中中に難しい。

　其れに引き替え、紙誌面と郵便による交流は、費用もそれ程かからず、其の気にさえなれば誰にでも出来る。為すか為さないかは、ご本人の心掛け次第である。

　交流の手始めは歩韵から着手し、止めるまで歩韵は続く。著者の下には毎日のように寄稿作品が郵送されてくる。作品には殆ど歩韵を為して返信する。作品は便箋にその場で書いたので、控えを残した記憶は余りない。

　此の稿は先方から来た作品と、紙誌に掲載された作品を《回音集》を真似て載せた。

2008年　劉紫嵐先生

　　臨江仙・読日本葛飾吟社《梨雲》詩刊依玉敬呈中山栄造先生　　　一巻《梨雲》披錦綉，眼前玉色朱顔。梅山学子遇仙縁。桜花何處賞，夢里仰高賢。　　

　　東海氷融航道近，起看朝夕炊烟。舊時血火尚魂牽。傷跡留史鑒，友愛賦新編。

　　附：中山栄造先生原詞　臨江仙

　　我是夢騰郷下叟，垢面華髪童顔。壷中弄詩便成縁。梅花導君陌，開信会群賢。　　

　　長城富士同惆悵，陰雲慚愧悲烟。昨夜夢里披情牽。枕泪懐往事，亦読弔魂編。

1998年　陳学?先生　福建省南平市　

　　和中山栄造《望海潮》

　　瀛偲坤曄，玲瓏小巧，一衣帯水波漣。中日交流，増添風雅，妙哉短句佳編。伏案展新箋。數寰球咏者，情趣同憐。高手中山，塵夫欲效嘆千旋。

　　漢文道上揮鞭。付三余時日，少顧銀銭。一?一詞，一音一字，與君夢聚吟筵。何怕醉師前。喜葛飾吟社，旗樹雲天。通覧東瀛列島，松戸蘊明賢

原玉

　　中山栄造　望海潮・想故郷

　　籬邊蟲唱・蒼穹星影，映晴一水清漣。竹馬依然，故園桑海，蕩蕩歳月成編。懐旧對粗箋。喜答酬新咏，底事哀憐。難得閑時，徒然案句意回旋。

2004年　李克英先生　題日本友人中山栄造先生照

數載神交未忘懐，敲詩對句坐書齊。

友人予我飛鴻至，始見詩家玉照佳。