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概論

  漢字文化圏に共通する新たな詩の提案
 漢字文化圏通用新詩体的提案
 曄歌 坤歌 瀛歌 偲歌
 提案者 中山榮造Nakayama
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一 簡要
 漢字文化圏に共通する新しい詩の名前を「曄歌」「坤歌」「瀛歌」「偲歌」とし、「光、土、水、人」とは即ち「天地海民」を表し、日中友好天地と共にの意を表す。

   言葉   中国語文語体
   形式   日本詩歌音数律
   韻律   中国人は必須、日本人は自由
   押韻箇所 内容意味上の末字
   四声平仄 不要

   曄歌 形式 漢字 三文字+四文字+三文字  
      内容 季語必要 自然万物 天地自然 人生幽邃 (与俳句相同)

   坤歌 形式 漢字 三文字+四文字+三文字
      内容 世間諸事社会趣聞            (与川柳相同)

   瀛歌 形式 漢字 三文字+四文字+三文字+四文字+四文字
      内容 天地自然人生社会世間趣事        (与短歌相同)

   偲歌 形式 漢字 四文字+四文字+四文字+三文字
      内容 男女情愛人生趣事            (与都々逸相同)

   国際性有る新たな季語の選定と創設

   既存季語に対する国際性有る季語解説書の編纂

   既存作品の新詩体詩歌への改写

二 探索

 イ 総論

 中國の詩歌が日本に伝来してから既に千数百年、其の精神文化と美意識は日本の文化に深く係わりを持ち、その後の日本詩歌の発展に多大な影響を及ぼしている。
 何故それほど迄に中国詩歌が、日本の文化に溶け込むことが出来たのか、其れは中國の文語体文章を翻訳せずに日本語で読む方法、「漢文訓読法」の功績に依ることが大である。
 もし漢詩を翻訳したらどうなるだろうか、恐らく内容は伝えることが出来ようが、詩歌の条件である「リズム」は消滅し、其の作品は既に詩歌ではなくなってしまう。
 然も特別の翻訳者の手を借りずとも、少しの勉強をすれば日本人一般が中國の詩歌を原文のまま安易に楽しむことが出来る。
 中国詩の格律は、文字数音数律の格律、押韻の格律、四声平仄の格律の三要素から成り立って居り、然も中国詩歌に於いて、音数律は最も根元的根幹的な要素だと言える。
 訓読法では根元的根幹的な文字数音数律の格律は、ほぼ原型に近い形で移行され、押韻の格律と平仄の格律は日本語の発音が異なるので再現できないが、独特な訓読法の雰囲気によって、其れら二者の喪失を少なからず補い、全体に詩歌としての体裁を保っている。
 これに対し日本詩歌は、先ず文字が相違し文法が相違し、更に格律は原則として文字数音数律の格律のみで成り立ち、押韻の格律を含むものは例外的でしか無く、平仄の格律は全く存在しない。
 更に句法章法に於いて、中國の詩歌は表意文字の特徴から物事を大きく捉えてこれを凝縮させ、日本の詩歌は表音文字の特徴から、物事を小さく捉えてこれを拡散させるなどの相違点がある。
 中國の詩歌は、古くから日本の民衆に愛好されているのに、日本の詩歌は其の侭の形で、漢字圏の人々に受け入れられるかと云うと、否と云わざるを得ない。
 日本の文化と中国の文化、似ているようで実は全く似ていない文化、文法然り、文字は半々、句法然り、章法然り、これ程までに相違点の多い文化ではあるが、音数律と文字半々の共通点を拠り所に双方に共通の認識をもてる詩の格律を創出する。
 此の余りにも共通性のない双方の詩歌から、概ね双方に共通する形式を創出するには、先ず中国詩歌と日本の詩歌の比較を試み、双方に共通な要素を捜し、これを新しい格律詩の根幹に据える事が妥当であろう。
 ところで詩の格律を模索する前に、先ずどちらの國の言葉で綴るかという事を決めなければならない。
 幸いにも日本人は訓読法のお陰で中國文語体は読めるが、中国人には日本の漢字仮名混じり文は読めず、中國の詩歌は概ね文字数が多いが、日本の詩歌は概ね文字数が少ない。
 これら読める読めないの問題、文字数の多い少ないの問題を勘案して、綴りは双方の人が読める中國文語体、詩の形式は文字数の少ない日本の詩形に准処する事とした。
 詩歌の形式には、外見的な構造として音数律、平仄律、韻律等があるが、平仄律と韵律は日本人の感覚の外で、内面的な構造としては、叙事内容と句法章法の問題がある。
 先ず双方に共通な格律は、根幹的な要素である音数律で、他の韻律と平仄律は創設する詩形を中國文語体と決めたので、新たな詩体には韻律を付加することとする。
 先ず音数律を検討して、新たな詩の外観を決め、次に内面の問題として叙事内容、句法章法の分析検討を加える。
 先ず外観として分析の対象を文字数の少ない日本俳句や川柳と決め、これの文字数音数律を分析して、この音数律に該当する中國文語体の詩形を当てはめ、其の結果を俳句や川柳や短歌や都々逸、今様、民謡、歌謡曲など、日本の音数律を基本とした詩歌にはどれでも応用することが出来る。

 ロ 音数律

 文字 拍 聯 の関係を図示すると次の如くで、聯には余韻を含み日本詩歌の重要な要素となっている。

 考察の一

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  日本の詩歌の構造は、仮名一文字一音節の音節のリズムの上に、仮名四文字一拍、二拍一聯の拍節リズムが律動しているが、中国詩の場合は一文字一音節、二文字一拍のリズムである。
 漢字一文字一音節一概念を基本とする中国語と、仮名一文字一音節一概念が例外的にしか成り立たない日本語詩歌を比べた場合、凡そ漢字一音節は仮名二音節に相当する。
 それならば、仮名一七文字一七音節の俳句は、機械的に云って漢字八文字半に相当するが、然し日本語には一文字一概念の文字が低い確率ながら存在するので此の点を考慮に入れれば、漢字十文字が妥当と云えよう。
 以上の考察によって、もし俳句や川柳と同じ音数律を持つ漢字句を想定すれば、漢字三文字+四文字+三文字となり、同様の考察から短歌と同じ音数律を持つ漢字句を想定すれば、漢字三四三四四文字となり、都々逸は四四四三文字、今様は四三四三四三四三文字、民謡や歌謡曲の多くは四四四三文字となる。
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