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漢詩詞創作 對法

 對法は何も詩詞に限った概念ではない。ただ詩詞の對法は構成法が整理されているので、句法の中でも易しい部類に入る。對句とは、有る対照に対しての、こちら側の形体を謂う。

 ある解説書では、対照する双方の句を一纏めにして「對句」と記述しているが、これは誤りで、二句一纏めとして謂う場合は「對仗」という。

 漢詩詞は概ね「出句+落句」で構成され、對仗を構成する場合は「出句+對句」の構成となり、章の對仗(隔句對)の場合は、例えば、「頸聯+對聯」という形となり、自ずから前後の関係が有る。

 詩歌は目と耳の二つの要素がある。語彙の構成と配置など、眼で判断できる要素と、耳で聞いての判断もある。平仄と韵は聴覚判断に起因するのだが、平仄と韵の外にもう一点「双聲」がある。聲、即ち子音の重なりによる効果がある。

 對仗の効用は、覚えやすさ・喋りやすさ・ベクトルの和に似た効果を演出来る。對句の構成要件は、対照句に対して、平仄を異にして文法上の構成が同じである。

 世間一般に謂われている対の名称を一覧標示する。

 本講では、對句對仗の要点だけを述べる。

 對の判別とは、一見對仗の様に見えても、その可否の要件である。一文字一文字が對していても、一句と一句が對していなければ、対句とは成らない。一文字一文字を対応させて句を組み立てても、一句として対応した句と成るとは限らない。

風引寂寥空落涙,人堪悲悼只呑聲。

風引寂寥空落涙,  ;風引寂寥就是人空落涙,  ;主語は風と人の二つ

人堪悲悼只呑聲。  ;人堪悲悼只呑聲。        ;主語は人

依って對仗ではない。

風露凄清秋寂寞,雲煙星月夜蒼茫。

風露凄清秋寂寞,  ;風露は凄清  主述の関係

雲煙星月夜蒼茫。  ;雲煙と星月  並列の関係

依って對仗ではない。

 双聲對とは、文字の読みは聲(子音)と韵(母音)で構成される。聲の同じ文字で対応する対を謂う。黄槐影,緑柳枝。黄は huang2 槐は huai2 緑は lu4 柳は liu3 黄と槐、緑と柳の頭の音が双聲(双方同子音;聲)である。

 隔句對とは章と章の對仗である。

 句中對とは句の中で對仗を為す對法で有る

 對の對とは、一句で對仗を為す句と一句で對仗を為す句は、双方句でも對仗を為す。

 走馬對とは流水對とも串對とも言いも出句と対句の間で時間的な前後関係が有る對仗を言う。

 顔色對と数字對と方位對と干支對の色と数字と方位と干支は共に、単なる色・数・方位・干支ではなく、情を内包しているので、便宜のために色は色、数は數と方位には方位、干支には干支と、双方に対応させた。

 虚実對は虚字と実字の對である。對仗は文法構造が同じで、平仄が反転していることが条件なので、当然に、虚字と実字でも、可能である。

 連綿對 は、看山、山已峻,望水、水仍清。の如く、同じ文字が連続する点では、連珠対と似て居るが、内容は異なる。

 連珠対 畳字対は意味の上でも二文字は連続して、一語を形成して居るが、聯綿対は形の上では連続して居ても、意味の上では一文字づつ独立して居る。

  祝賀戴振國暁瓊伉儷書法展
聲華渡海到吾郷,句句思君仰彼蒼。揮筆筆端跳猛虎,對牋牋上發靈光。
應看百福家門盛,尚有千秋恵愛長。玉硯澄神磨古墨,前途浩瀚兩鴛鴦。

 迴文對の一例を示せば、句の中で字句が旋回する句法で有る。
情親由得意,得意遂情親。情親と得意の二つの連語の位置が、上句と下句では逆に成って居る。
春草暮兮秋風驚,秋風罷兮春草生。春草ー秋風  秋風ー春草 と言う風に用語が旋回する。
秋何月而不清,月何秋而不明。
秋は何れの月にして清らかならざらん
月は何れの秋にして明らかならざらん

 錯綜對或いは 交替對・錯落對・蹉對と言い、対応する出句(上句)の語と対句(下句)の語は、同じ位置でなくズレて対になることを、交替對・錯落對・蹉對・錯綜對と言う。
倚杖柴門外  杖に倚る  柴門の外
臨風聴暮蝉  風に臨みて 暮蝉を聴く

 倚杖は対句(下句)の主語の「臨風」に対応していて、二つとも動詞で名詞を修飾する連語として、対になっている。
 然し後半の「柴門外」と「聴暮蝉」を看ると、「柴門」と「暮蝉」は共に前の字が後の字を修飾しているので対になるが、品詞の構成から看れば、対にはなっていない。「柴門外」は位置名詞で有る。「外」で「柴門」を修飾して後置きにしているが、「聴暮蝉」は動詞の「聴」で「暮蝉」を修飾している。依って構造が互いに異なるのである。

春残葉密花枝少,睡起茶多酒盞疎。       王安石
密と疎 少と多 と交錯している。

注:対応する位置がずれている。本来は、「密」なら「疎」、「少」なら「多」である。

 倒装對 とは、故意に語句をチグハグに組み合わせて、對仗を作っている作品に対する一例である。
紅豆啄餘鸚鵡粒,碧梧棲老鳳凰枝。     杜甫

 両句とも故意に顛倒した侭対句としている。此では読めないか、読んでも意味不明となる。

順当な語法では、鸚鵡啄餘紅豆粒,鳳凰棲老碧梧枝。となる。

 疑問對とは疑問句で構成される對仗である。

家在夢中何日到?春來江上幾人還? 廬綸

両句とも疑問文である。

幾度曽相夢?何時定得書?    耿○U+6E48

遠路獨歸寺,幾時重到城?     周賀

 作例を示そう。

國士何時成底事?凡夫幾度使人悲?

幾度凭窗悲病苦?何時整髪拂羅裳?

 

 問答對は質問と応答で構成される對仗である。

四面雲山誰作主,數家灯火自為隣。      朱湾

問人遠岫千重意,對客閑雲一片情。      李山甫

 作例を示そう。

我問家郷人未老,君答客裏涙空垂。出句で問い落句で答え

暗問家郷農事急,羞答客裏業成遅。自問自答 自問他答の自己完結である

 借對は假對とも言う。對偶の中の語は文字上では對仗になっていても、意味では対になっていないことや、或いは語の文字に当たる通韻は對に成るが、その語の本来の意味や文字では対になっていないことを指す。

 李商隠の七律 馬嵬

此日六軍同駐馬,当時七夕笑牽牛。

解;駐馬;動名詞

解;牽牛;名詞

 羊角對は對聯の中の、一個独特の種類である。羊角對は又の名を無情對とも謂う。無情対には、七個の要点がある。1−字面の對仗は良く整い、兩句の内容は羊角の様に遠く隔たることを良しとする。2−文字は相對す。

3−上下は必ず多様にとれる字義の効果を用いなければならない。4−大量に借對法を使用する。5−羊角對は問答式の對聯であるが、問いと答えは一個の主題に属さない。6−実用性があって、諧謔幽黙の特徴を有す。7−会話や文学創作に用いる。
 日本人からの見方;単に文字面が對仗なだけでは、単なる駄洒落と変わるところがない。對仗の要件として、声調の對仗が有る。駄洒落と羊角對とを分ける要件は声調が重要な要素となる。この定型の趣旨は、互いに乖離する對仗に依って笑いを誘うことにある。

作品例

星垂平野闊;江断屈原愁

星垂平野闊;世盛夕陽嬌

横舟渡口候行人;對鏡試衣欲見客

横舟渡口候行人;落谷岔腰驚睡虎。

北大荒有幸出幾多小説;南平市無情對第一専刊。

 

 互文は對法の一つではあるが、叙事法の一つでも有る。詩は対偶や平仄等の条件を考慮しなければならないので、一つの纏まった観念を二句に分散し書かれる事がある。
 互文は双関と同様に字面だけでは理解できないので、前後の分脈を探って真意を突き止めなければならない。

 白居易の「琵琶行」 主人下馬客在船,の句が有るが、此の句の表現を額面通りに受け取れば、「主人は馬より下りて客を見送り、客は舟に在って別れ出船の人となる」と言う意味になるが、然しそう取ったのでは誤りとなる。

 言い換えれば 主人與客下馬就是客與主人在舟,主人も客も馬より下り、客も主人も舟に在り の省略形である。

 その事は其れに続く「擧酒欲飲無管弦。酔不成歓惨将別,別時茫茫江侵月。忽聞水上琵琶聲,主人忘歸客不発。」の五句を読めば明瞭である。

 此の五句はハッキリと主人と客がどちらも客船に乗り、差し向かいで酒を注ぎ、名残惜しんでいる描写である。其れを単純に「主人は馬より下り、客は舟に乗っている」と解釈したのでは正確な理解には成って居ない。

 互文成立の要件
1-主語が複数有ること。

2-交互に読み替えても、実現可能であること。

3-共通事項が、相互に成り立つこと。

4-一句に収まる場合と二句に収まる場合がある。

 (一句の例)夫琴妾酒想先賢・・・・主語が複数で、交互に読み替えても実現可能で、共通事項が相互に成り立つから互文である。 

 互文の詳細な解説は省略する。