漢詩詞対句対の判別 中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座こちらからもお探し下さい

對の判別TopPage

総論

 一文字一文字が對していても、一句と一句が對していなければ、対句とは成らない。
 一文字一文字を対応させて句を組み立てても、一句として対応した句と成るとは限らない。

其一

風引寂寥空落涙,人堪悲悼只呑聲。

風引寂寥空落涙,  ;風引寂寥就是人空落涙,  ;主語は風と人の二つ
人堪悲悼只呑聲。  ;人堪悲悼只呑聲。     ;主語は人

幽香繞郭従疎懶,    ;幽香は郭を繞り、人は疎懶に従う    ;主語は二つ
細雨随風湿粉墻。  ;細雨は風に随って粉墻を湿らす   ;主語は一つ

良宵對月陪吟宴,  ;良宵に、月に對して吟宴に陪し   ;主語は一つ
雅興求詩照酔眸。  ;雅興に詩を求めて、月は酔眸を照らす;主語は二つ

地委春寒花未發,  ;地は春寒に委せ、花は未だ發かず  ;主語は二つ
鶯魁芳信人只聴。  ;鶯は芳信に魁け、人は只だ聴く   ;主語は二つ
鶯魁芳信語已圓。  ;鶯は芳信に魁けて語は已に圓なり  ;主語は二つ
註:とても微妙な関係にある例

其二

風露凄清秋寂寞,雲煙星月夜蒼茫。

風露凄清秋寂寞,  ;風露は凄清  主述の関係
雲煙星月夜蒼茫。  ;雲煙と星月  並列の関係

詩詞筆硯聊違俗,  ;詩詞と筆硯  並列の関係
雨露霏微太透肌。  ;雨露と霏微  主述の関係

星月江山觴詠興,  ;星月江山   並列の関係
苔楓皎潔故園情。  ;苔楓皎潔   主述の関係

 

散曲元曲楹聯自由漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります