形式
語彙の上では対仗を為さないが、双方とも、双声と謂う理由で成り立つという、句法である。側(仄)とは、偏ると言う意味で、此処では文字面では對の用件を備えないが、子音(聲)の上では、双聲の関係がある。
田畝兩蓮蘇病骨,書斎画虎掃妖氛。
田tian2 畝mu3 兩ling3蓮lian2 蘇su1 病bing4 骨gu3,
書shu1 斎ji1 画hua4 虎hu3
掃sao3 妖yao1 氛fen1。
兩蓮と画虎とは文字面の上では對を為していないが、双声としては對している。
池畔緑蘆堪驟雨,樓臺艶眼待空房。
池chi2 畔pan4 緑lu4
蘆lu2 堪kan1 驟zhou4 雨yu3 ,
樓lou2 臺tai2 艶yan4 眼yan3待dai4
空kong1 房fang2 。
緑蘆と艶眼とは文字面の上では對を為していないが、双声としては對している。
目で見る字面と、耳で聞く子音(聲)と、二つの用件の中、耳で對が得られれば、對句の範疇にしようという発想である。
注意点:
他人様の作品を見たとき、一見、對を為していない様に思えても、双声なら對と言えるのだから、注意を要す。間違って、對を為して居ません!などと、批評してしまったら、自分の知識不足を晒す結果と成りかねない。
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