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交替對・錯落對・蹉對

 対応する出句(上句)の語と対句(下句)の語は、同じ位置でなくズレて対になることを、交替對・錯落對・蹉對・錯綜對と言う。

倚杖柴門外  杖る  柴門の外
臨風聴暮蝉  風に臨みて 暮蝉を聴く

 倚杖は対句(下句)の主語の「臨風」に対応していて、二つとも動詞で名詞を修飾する連語として、対になっている。
 然し後半の「柴門外」と「聴暮蝉」を看ると、「柴門」と「暮蝉」は共に前の字が後の字を修飾しているので対になるが、品詞の構成から看れば、対にはなっていない。「柴門外」は位置名詞で有る。「外」で「柴門」を修飾して後置きにしているが、「聴暮蝉」は動詞の「聴」で「暮蝉」を修飾している。依って構造が互いに異なるのである。

 

春残葉花枝,睡起茶酒盞。       王安石

密と疎 少と多 と交錯している。
注:対応する位置がずれている。

春残葉花枝

睡起茶酒盞

解説:「密」なら「疎」   「少」なら「多」です。

本来なら

春残葉花枝

睡起茶酒盞。と成ります。

 

評:古典作品の中に、このような作品が有ると言うだけで、此を敢えて作ることも無かろう。

解説:不合理な作品に出会っても、このような詩法が有ることを辨え、前後の関係を再精査する必要がある。

 

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