漢詩詞対句聯綿字對 中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座こちらからもお探し下さい

聯綿字對TopPage

形式

 字對が複数続いている對法を聯綿字對と言う。字對とは文字面から見ると、對仗を為しているが意味の上では対仗を為さない構成を言う。聯綿字對とは、この要件が二つ以上繋がった場合を言う。

 然しこれの解説には二通り有って、どちらとも決めがたいので、両方の解説を載せた。

1−

五更鼓角聲悲壮,三峡星河影動揺。   杜甫

五更鼓角聲悲壮,
三峡星河影動揺。

 鼓角とは軍中で時を知らせる鼓と角笛。又はそれらを鳴らすことを言う。星河とは星漢・天の川・銀河を言う。鼓角は器物で、星河は天文で、原則的には對の相手には成らない語彙である。

階前爽気青燈影,浮世貧交紅友縁。

階前爽気青燈影,
浮世貧交紅友縁。

階前は、対仗の分類として「宮室」に該当する。
爽気は、対仗の分類として「時令」に該当する。
浮世は、対仗の分類として「形体」に該当する。
貧交は、対仗の分類として「人事」に該当する。

 依って出句が「宮室」「時令」だから、落句も「宮室」「時令」で無ければならないのに、「形体」「人事」と成っている。本来なら、同じ分類が対仗の相手になるのに、其れが満たされていない。

 

2−

哀鴻鳴雁貧病裏,狂朋飲儔歳月縁。

哀鴻鳴雁貧病裏,
狂朋飲儔歳月縁。

 字面で見ると、同じ対仗の分類ではないが、その点を除けば互いに対仗を為している。然し句意の上から見ると、対仗は為していない。

 即ち哀鴻鳴雁とは悲しく鴻雁が鳴くと言う一面的な意味ではなく、流浪してさすらう民が、その苦労窮状を訴えることである。字面から見た一面的な意味とは異なる。だから友が無茶な酒を飲むのも長い付き合いの中、とは互いに相関するところがない。

参考;字對がある。

 

自由詩散曲元曲楹聯漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります