漢詩詞句法四實　中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座こちらからもお探し下さい

四実TopPage

　句の内容には実と虚が有る。此処で言う四実とは、律詩の對を為す四句、頷聯と頸聯が共に、実句で有ると言う事である。

実とは簡単に言えば、目に見える物事、具象的な表現を言う。即ち実句とは、目に見える物事を綴った句と言える。同様に虚とは、目に見えない物事を言う。情はこれに当たる。虚句とは、目に見えない物事を綴った句を言う。或いは情を綴った句とも言える。

　そして、頷聯を前聯、頸聯を後聯とも言う。この前聯と後聯が共に具象的な表現である場合、緊密さが失われやすく、前聯と後聯がバラバラに成りやすいのである。この欠点を補完する為には、首聯と結聯を虚句にするなどの工夫が必要である。

　以下にその一例を示そう。

長江勝遊
●●○○●，○○●●◎。
歩歩清幽極，忘吾入夢魂。　　虚

○○○●●，●●●○◎。
山囲千尋谷，路繞百家村。　　実

●●○○●，○○●●◎。
仰見青巌嶂，回看朱殿門。  　実

○○○●●，●●●○◎。
勝遊人若問，一棹帯泥渾。　　虚


長江勝遊
○○●●●○◎，●●○○●●◎。
悠閑船上問來因，日日回遊不及旬。

●●○○○●●，○○●●●○◎。
遮断紅塵流水畔，江風吹面波翻銀。

○○●●○○●，●●○○●●◎。
應知青史羊腸路，旅客登楼柳映津。

●●○○○●●，○○●●●○◎。
萬古栄枯文與武，情情句句未爲眞。

註：四実の場合、首聯と結聯が実句で有ると、全体に連携が疎となり、主旨の集結が希薄となる。依ってこの場合は、適宜虚句を配する事が肝要である。

自由詩散曲元曲楹聯漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります