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四虚TopPage

 句の内容には実と虚が有る。此処で言う四虚とは、律詩の對を為す四句、頷聯と頸聯が共に、虚句で有ると言う事である。

虚とは目に見えない物事を言う。情はこれに当たる。虚句とは、目に見えない物事を綴った句を言う。或いは情を綴った句とも言える。そして、頷聯を前聯、頸聯を後聯とも言う。この前聯と後聯が共に情緒的な表現である場合、緊密さが失われやすく、前聯と後聯がバラバラに成りやすいのである。更に虚句は脆弱さを内包しているので、この欠点を補完する為には、首聯と結聯を実句にするなどの工夫が必要である。

 以下にその一例を示そう。

長江勝遊
●●○○●,○○●●◎。
百里天然画,一条古道横。

○○○●●,●●●○◎。
興亡唯見日,無跡動郷情。

●●○○●,○○●●◎。
順逆都如夢,追懐識用兵。

○○○●●,●●●○◎。
車窗何處是,廣野白雲平。


長江勝遊
○○●●●○◎,●●○○●●◎。
指呼雲上一仙標,桟径羊腸遠市囂。

●●○○○●●,○○●●●○◎。
五尺情根傷宿世,単床黎暁意無聊。

○○●●○○●,●●○○●●◎。
千里羇泊忘塵累,半夜軽煙気寂寥。

●●○○○●●,○○●●●○◎。
邃澗奇峰天下勝,珈琲香味爽快朝。



註:四虚の場合、首聯と結聯が虚句で有ると、脆弱に陥りやすく、更に全体に連携が疎となり、主旨の集結が希薄となる。依ってこの場合は、適宜実句を配する事が肝要である。

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