漢詩詞句法點線面 中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座こちらからもお探し下さい

點線面TopPage

 點線面とは、景物描写の捉え方である。

 岸頭に立って、大海原を眺めたとしよう。

 目に映る大画面を、点と線と面の要素に分けて見ると、砂粒・近くの小舟・遠くの船・鳥・飛行機などは、点として捉えられる。

 航跡・水平線・飛行機雲などは、線として捉えられる。

 海原・大空は面として捉えられる。

 これらの要素を適宜組み入れて、景物を描写すれば、立体的な描写を做すことができる。

 岸頭に立って、大海原を眺めたとして、類例を作ってみよう。

   海浜夕照

白磯砂粒忽潮香,  ;砂粒は點

眺望漁船航跡長。  ;航跡は線

雲裂照紅天與海,  ;雲裂照紅天與海は立体的な描写

碧波如鏡映斜陽。  ;如鏡は面

 

大きな場面ばかりとは限らない。お正月の書机には、妻が生けた南天がある。

花瓶尺木百鮮紅,  ;百鮮紅は點

樹幹延直雅自雄。  ;幹延直は線

抱膝酌酒伸痩臂,  ;場面の様子

開窗緑葉對蒼穹。  ;窗も蒼穹も面

 

 耳で聞いても、點・線・面はある。

深閑佛屋木魚音,  ;木魚の音はポクポクと断続音で點

縷縷鐘聲處處村。  ;鐘の音は細く長く続き線

返照穿雲禅寂境,  ;禅宮の全体を描写

声明浩浩慰神魂。  ;声明は全面的な広がりを持ち、人心を広く包み込む面

 

 このように物事を分けて観察すると、一面的な描写に偏らずに描写できる。

 

戯曲元曲散曲楹聯自由漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります