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張王体

 張王とは、張籍と王建の二人を指す。二人とも楽府詩で有名であり、風格も似ている。二人の作品は、元和体の様に当時の社会現象を多く反映し、音節も調和し言葉も美しいので、元和体よりも簡潔で精錬されている。

 賈島・孟郊などと唱和して古詩をよくし、盟友の王建とともに七言楽府に優れた作品を発表している。名詩人になろうとして、杜甫の詩集を焼いてその灰に膏蜜を混ぜて飲んだという逸話がある。表現は平易だが、世相の矛盾を指摘することは鋭く、白居易から「挙世(いまのよ)には其の倫(たぐい)少なし」と評せられ、後輩の姚合より「古風は敵手なく、新語は是れ人ぞ知る」と称えられた。中唐楽府運動の重要な担い手で、「元和体」を形成し、『張司業詩集』8巻がある。

  節婦吟
君知妾有夫,贈妾雙明珠。
感君纏綿意,繋在紅羅襦。
妾家高樓連苑起,良人執戟明光裏。
知君用心如日月,事夫誓擬同生死。
還君明珠雙涙垂,何不相逢未嫁時。

 

  秋 思
洛陽城裏見秋風,欲作家書意萬重。
復恐怱々説不盡,行人臨発又開封。

 

  薊北旅思
日日望郷国,空歌白苧詞。
長因送人処,憶得別家時。
失意還独語,多愁祇自知。
客亭門外柳,折尽向南枝。

 

  涼州詞
鳳林關裏水東流,白草黄楡六十秋。
邊將皆承主恩澤,無人解道取涼州。

 

  送友人
水国蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
誰言千里自今夕,離夢杳如関塞長。

 

  王建は、張籍と並ぶ楽府詩の大家。原籍は呉郡(蘇州)だが、和州烏江(安徽省和県)に生まれた。799年に進士となる。寒門出身のためあまり出世ができず、秘書郎・水部員外郎・主客郎中をへて、師友の韓愈の推薦があり国子博士から国子司業に至った。

  十五夜望月
中庭地白樹棲鴉,冷露無声湿桂花。
今夜月明人尽望,不知秋思在誰家。

 

  新家娘
三日入厨下,洗手作羹湯。
未諳姑食性,先遣小姑嘗。

 

  雨過山村
雨裏鶏鳴一両家,竹渓村路板橋斜。
婦姑相伴浴蚕去,闃ナ庭中梔子花。

 

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