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七言絶句TopPage

 日本で漢詩といえば、五言絶句か七言絶句が謂われる。一番知れ渡っている定型である。

 七言絶句は五言絶句に二文字付け足した定型と理解すればそれ程の間違いはない。作り方も五言絶句とほぼ同じで、それ程に難しいものでは無い。定型は何種類もあるが、他の定型は、こちらをご参照ください。 此処では一つを提示して、創作練習に取りかかろう。

 七言と五言の違いは、文字が二字多いのは見ての通りだが、雰囲気に於いて、五言より少し柔らかめ、と謂えるだろう。

○○ ●● ●○◎, 起句
●● ○○ ●●◎。 承句
●● ○○ ○●●, 転句
○○ ●● ●○◎。 合句

 

○○ ●● ●○◎, 起句
碧桐 翠竹 入吟眸,      P72    尤韵
青桐と青竹が私の目に映る,
 桐は秋を一番先に感じ取る樹木で、夏が過ぎると秋風が吹く前に、一枚一枚と葉が落ちる。それに引き替え青竹は、秋になっても殊更に葉を落とすことはない。

●● ○○ ●●◎。 承句
一葉 一離 易感秋。      P972
一枚の葉っぱ、一つずつ離れる。桐の葉の落ちる様子を詠っている。もう秋だなあ。

●● ○○ ○●●, 転句
半壁 寒燈 貧活計,                P102
半壁とは、小さな壁、即ち小さな部屋を指す。寒々とした燈火。如何にも貧乏くさい。

○○ ●● ●○◎。 合句
緑天 深處 不知愁。                P72
緑いっぱいの所、何の愁いもありません。貧乏くさいところに住んでいるけど、それ程の愁いはありません。

評:起承の二句では、時勢の移ろいに危機感を持っているのに、転合二句では、心配ないと謂っている。果たして此をどう解釈するのか?緑(色相)は活力・生命力を表します。貧乏はしているけど、私には活力が有るから心配ないです。と謂っているのです。さて読者のご感想は?

初秋閑居
碧桐翠竹入吟眸,一葉一離易感秋。
半壁寒燈貧活計,緑天深處不知愁。

○○ ●● ●○◎,
同郷 竹馬 赤心明,   庚韵  P110
同郷の幼なじみは真心が明らかで,

●● ○○ ●●◎。
惜別 囲爐 到五更。
爐を囲んで尻が上がらず、とうとう明け方に成ってしまった。

●● ○○ ○●●,
陋巷 多年 疑是夢,
陋巷で何年も過ぎてしまった。もうこんなにも年月が過ぎたのか!

○○ ●● ●○◎。
男児 半生 任人評。
まあとやかく言っても始まらぬ。人の謂うに委せよう。

註:任人評と謂っているが、此は作者の結論の様に見えるがそうではない。作者は任人評と謂っているが、実は人の批評には納得していないのである。謂いたい奴には謂わしておけ!こんな雰囲気。

冬夜竹馬
同郷竹馬赤心明,惜別囲爐到五更。
陋巷多年疑是夢,男児半生任人評。

  七言絶句
寒窗破壁夜方深,竹馬登仙冷透襟。読罷信書燈欲凍,紛紛暁雪白塵侵。

  春雨其一
一簾微雨冷春衣,園畝待晴草又肥。小院青青書院寂,繁忙日日鎖蓬扉。

  其二
紅雲香雪萬櫻花,俯瞰塵街径路斜。可恨陣風催雨急,夫妻老若亂如麻。

  詠物 草
首夏晴天禍福多,農夫手掌疾如梭。何規嫩草抜和養?坐想初冬野鼠窩。


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