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十六字令TopPage
詞では「竹枝」と言う単調十四字の定型があるが、一般には十六字令が一番小型と言われる定型である。十六字令は十六字で構成され、又の名を「偸聲」と言われるように、七言絶句から必要な聲を抜き取った形と一致する。
○○●● ●○◎。 起句
●●○○ ●●◎。 承句
●●○○ ○●●, 転句
○○●● ●○◎。 合句
十六字令の詞譜として書き出せば、下記の如くとなる。
◎。●●○○ ●●◎。○●●,●● ●○◎。
一例として、絶句から聲を偸んで十六字令にしてみよう。
夜上受降城聞笛 李益
回楽峯前沙似雪。
受降城外月如霜。
不知何処吹蘆管,
一夜征人盡望郷。
雪を楊に入れ替えれば、
楊。
受降城外月如霜。
吹蘆管,征人盡望郷。
評;「雪」を「楊」と置き換えれば、ほぼ原作に近い十六字令の作品として成り立つ。然し、どれでも声を偸めば十六字令に成るわけではない。
以上は偸聲の説明であって十六字令そのものの説明ではない。このような例は他にもあるが、詞は詞譜に倣って作るのが本筋である。
十六字令の最初の一字は、平聲で、韵字でもある。更に、後に続く三句に関わりを持つ詩眼に相当する文字を用いることが要点となる。
一文字の初句は作品の主題を述べる。
続く三句は初句の説明となる。
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