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典詩基本講座
第三講
詩詞実作篇開始前のお断り
 饅頭は皮とあんこから出来ている。皮に相当する部分は文字の組み合わせで、あんこに相当する部分は作者の心情である。
 漢詩の作り方指導と言っても、所詮は皮の作り方の域を出ることは出来ない。饅頭の良し悪しを決める中のあんこは、他人にはどうにも成らない事柄である。皮が上手に出来ない中にあんこを詰めると、破けて始末が悪くなる。
 もちろん皮とあんこの両方を同時進行で講を進めると相当に長い時間を必要とする。先ずは皮作りの部分だけを講じ、其れが自由に出来るようになったら本格的に中身を詰め込むことを研討しよう。
 本講では皮の作り方を先ず講義し中身は後回しにする。だから練習用の中身は、絵空事で空っぽな事を予め断っておく。内容は評価に値しないものなのだから、間違っても云々はしないように!
 皮を作るのに必要な基本材料を予め提示しておこう。
花 月 酒 書 詩 これだけ有れば殆ど練習用の皮はできる。

1999-5/11
3 七言絶句
△基本は平字だが仄字でも可
▲基本は仄字だが平字でも可
○平字のみ可
●仄字のみ可
◎平字押韻
、読点(通常は表記しない)
,読点
。句点
  七言句の場合、音歩を考慮した記述にすれば△○▲●、●○◎,▲●△○、▲●◎。となる。これを守らぬと“正直者のお爺さん”が“障子着物のお爺さん”に成ってしまう。

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1−基本形
七言絶句基本形式
起句は題意を起こし
承句は起句を補足し
転句は別の指点から題意を述べ
結句は起承句と転句を纏める
此処での注意点は、転句が承句の延長上に成らないことである。かと云って結句で収束できないほど離れ過ぎてはいけない。
 漢詩7文字句の構成は音歩の項で述べたが、基本的には4文字+3文字の構成となる。更に主述客の構成の一例を示せば以下之如し。

○○●●●○◎の7文字は○○●●+●○◎と成る(絶対要件)。これは

主   +述+客    主+述 +客      主+述+客+主+述
○○●●+●○◎ 又は ○○●●+●○◎ 又は ○○●● +●○◎
籬辺蟋蟀 動吟情    吟衣却憶 乱蛩音    明窓如昼  客愁深

など組み合わせを書き並べれば紙面に余りある。中国語の構成は主語+述語+客語を基本と為し、更に一部を省略する事が出来るなどの柔軟性もあり、其処へ形容詞助詞助動詞副詞などが付随するので、紙面で説明するには難がある。沢山読み沢山書く以外に身に付ける方法は無かろう。
P48 
紅塵任地雨晴時,一陣東風払面吹。
酒客声声林下路,煌々電燭照花枝。

P50
残紅幾片落花軽,坐聴窓前燕子鳴。
歳歳他郷聊託酒,濃春煙景半陰晴。
P77
明窓一穂月斜臨,去君十年別恨深。
回首多年身作客,籬辺切々乱蛩音。
P105
光陰如水酔青春,立志論功驚鬼神。
垢面半霜懐往事,偸生拈句老風塵。
この例題4首はテキスト解説用に使いますから写し取って下さい。 
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