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　物事の捉え方に、主観的と客観的の二通りがある。

　物事を客観的に写して、それでいて全体として情を醸成する方法で有る。即ち、叙景だが実は叙情なのである。

　　江雪　柳宗元
千山鳥飛絶，　　　　　　客観的な描写
萬径人蹤滅。　　　　　　客観的な描写
孤舟箕笠翁，　　　　　　客観的な描写
獨釣寒江雪。　　　　　　客観的な描写

　この詩は起句と承句が對仗を為し、起句承句同等の重さで詠んでいるが、起句と承句を入れ替えても同じ光景である。四句ともに総て客観的な景物描写であるが、全体として十分な情を喚起させることができる。

　　寒食　韓○　　　　　　　　　　　○；hong2
春城無處不飛花，　　　　客観的な描写　
寒食東風御柳斜。　　　　客観的な描写
日暮漢宮傳蝋燭，　　　　客観的な描写
輕煙散入五侯家。　　　　客観的な描写

　　箱根即景　郭沫若
紅葉経霜久，　　　　　　客観的な描写
依然恋故枝。　　　　　　客観的な描写
開窗聞暁鳥，　　　　　　客観的な描写
俯首拾詩詩。　　　　　　客観的な描写

　　終南望餘雪　粗詠
終南隠嶺秀，　　　　　　客観的な描写　
積雪浮雲端。　　　　　　客観的な描写
林表明霽色，　　　　　　客観的な描写
城中増暮寒。　　　　　　客観的な描写

　　鹿柴　王維
空山不見人，　　　　　　客観的な描写
但聞人語響。　　　　　　客観的な描写
返影入深林，　　　　　　客観的な描写
復照青苔上。　　　　　　客観的な描写

　　寄揚州韓綽判官　杜牧
青山隠隠水迢迢，　　　　客観的な描写
秋盡江南草木凋。　　　　客観的な描写
二十四橋明月夜，　　　　客観的な描写
玉人何處教吹簫。　　　　客観的な描写

　主観的な描写と客観的な描写を説明するために、主観的描写の混ざった作品を一例提示した。

　　○州西潤　韋應物　　　　　　　　○；水＋除；U+6EC1；安徽省の地名
獨憐幽草潤邊生，　　　　主観的な描写　
上有黄○深樹鳴。　　　　客観的な描写　　
春潮帯雨晩來急，　　　　客観的な描写
野渡無人舟自横。　　　　客観的な描写
○；麗＋鳥；U+

　類例を見ても分かるように、客観的描写だけで一首を構成することは、割合と難しい作業である。客観的描写と主観的描写にはそれぞれに特徴がある。

１−客観的描写は平板に成りやすい。
２−主観的描写は柔弱に成りやすい。

依って、量と配置の案配は構成上、意を注ぐ要件である。　

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