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一生に「三首」の作品が出来れば良い。TpPage

 この項は重要だから、太字色つきにして掲載した。

  嘗て私は、中國文人から聞いたことがある。作品は多くを遺す必要はない。出来映えの問題だ!自他共に認める作品が三首有れば充分だ!一首出来たから、あと二首頑張らねば!

 これから先読み継いで貰える作品が三首有れば充分だ!と私は理解した。そういえば、私の場合、数は沢山作ったが、歳月に堪えられるかと言えば、否と言わざるを得ない。方針だけで無闇に進んでも目標に到達出来るとは限らない。矢張り佳作と言われる作品の依って立つ所を探り、その方途を辿るのが、効率的である。

 佳作と言われる作品を分析し、以下の如き結論を得た。諸賢の参考に供されんことを望む。

根幹は

1−
 文字を綴ることは、作者の心情を表現する方途の一つである。

2−
 景を綴ることは、作者の心情を表現するための、道具としての景である。

3−
 情を綴ることは、作者の心情を表現するための、道具としての情である。

4−
 文字に綴られた情は、作者の心情とは限らない。あくまで、作者の心情を表現するための道具としての情である。

5−
 景を綴って心情を表現し、情を綴って心情を表現する。

 

創作の身構え

7−
 自己満足してはいけない。自己満足は、他人から見ると滑稽に映る。

8−
 身の丈を弁えなければならない。身の丈に合わないことを書くと笑われる。

9−
 漢詩詞文化は生き物である。常に新たな息吹を試みる。試みにタブーはない。価値有れば残り、無ければ消え去る。

10−
 自己の心情の先には必ず、語りかける相手が居る。其れは自分であっても良い。

11−
 現実の社会に身を置くこと。

12−
 語彙に頼ってはいけない。語彙に頼った作品は、作者と作品が一体と成らない。作者と一体でない作品なら、器用な人なら誰にでも出来る。

13−
 読む人は文学愛好者とは限らない。文学に限らず、あらゆる方面の知識を吸収しなければならない。幅が狭い人ほど、無知を隠すために語彙に頼りやすい。

 

日本人の立場から

14−
 漢詩詞は外国の詩歌で、日本人が外国の詩歌を作ると謂うことで有る。

15−
 詩法は中華詩詞壇に通用する事を前提とする。

16
 日本の漢詩壇で評価されても、中華詩詞壇で評価されなければ、意味がない。

17−
 詩詞は常に変貌している。時勢に遅れを取らぬ為、努めて中華詩詞壇と交流し、情報の取得に努める。

18−
 干涸らびた古いテキストに、へばりつく事は止める。他人が見ると滑稽に見える。

 

 

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