漢詩詞論攷創作態度の1 中山逍雀漢詩詞創作講座填詞詩余楹聯こちらからもお探し下さい

詩を作る態度(私の場合)TpPage

詩詞を作る心構え

 どんな事をするにも一番最初で一番大切な事は心構えである。

 詩詞を学ぼうとする者に目的を尋ねると、自分の思いを詩詞に書き表したい!或いは、単に楽しみ・趣味としてやっている!と答えるのである。聴いて、唖然とする。人生という限られた時間を使うのに、そんなにも希薄な心構えでいいのか、と唖然とするのである。

 他人様の事だからどうでも好い事だが、どうせ時間をつぶして創るのだから、少しは好い作品を創れるようにして欲しい。其れにはしっかりとした心構えが必要なのである。

 一言にして言えば、詩詞創作に必要な心構えは、「訴える」と言う事です。誰に訴えてもかまいませんが、「自己陶酔」と自己に訴える事ととは全く別な事です。日本人の作品の殆どが、自己陶酔であると言っても過言ではありません。

詩を作る態度−私の場合−1

 どんな事を詩にするのか?尋ねると、論語の語句を引いて「詩は志を言う」と言う返事が返ってくる。自分の心にある物事を寫せば良い!とは誠に簡単なようだが、なかなかそうも往かない。

 私は日本人だから日本人の作品集を見てみると、実に雑多で却って分からなくなる。花見をしながら酒を飲み詩を作る・・の類。天下国家を嘆く・・悲憤慷慨・・大言壮語の類。膏っ気の抜けた・・神仙思想の類。そしてもう一つ・・重箱の隅を突っつく様な、などなど凡そ四っか五っのパターンに類別される。

 実のところ私も他人様の真似をして、其の類をせっせと創った。だが私にはどれも縁が無いことばかり。花見をして酒を飲むなど悠長な気性ではないし、天下国家を嘆くなどとんでも無いことだし、重箱の隅をつつくのは嫌いだし、膏っ気は未だ有るようだし、どれも私には「絵空事」でしかあり得ない。

 実のところ私は、お金は大好きだし、ホラも吹くし、異性も好きだし、妬みもするし、気は小さいし、直ぐにのぼせるし。だったらこの、有りの儘の自分を基にして詩を作れば良いではないか!それなら底が割れることもないし、絵空事になることはない。

 でも私は少しばかり背伸びをしている。

 

自由詩散曲元曲楹聯漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります